演舞場発 東寄席 第三十四回

演舞場発 東寄席 第三十四回 2017年12月26日(火)

 第三十四回 『落語と日本酒と伝統野菜を楽しむ会in新橋演舞場』にお越しいただきまして、誠にありがとうございました。
『第三十四回 落語と日本酒と伝統野菜を楽しむ会 in 新橋演舞場』風間杜夫

 2017も残すところあと僅かとなり、つむじ風吹く師走の街にも慌ただしさを感じるこの日、二回目のご出演となります風間杜夫さんをお迎えし、第三十四回 新橋演舞場地下『東寄席』を開催いたしました。年末のご多忙な時期にも関わらず、たくさんのお客様にお越し頂き、会場は30席の追加席が出るほどの大盛況となりました。

 本日お酒は、第一回目の東寄席から度々お世話になっている八海山の飲み比べ。希少な純米大吟醸やシャンパングラスで頂くスパークリング日本酒など、多彩な顔を見せる八海山を、こちらもお馴染みとなりましたOme Farmの江戸伝統野菜と共にお楽しみ頂きました。それでは振り返りをご紹介いたします。

味覚を楽しむ

本日の演舞場のお料理

 今宵も新橋料亭街伝統の味を受け継ぐ演舞場自慢のお料理をご賞味頂きました。

 先付けは子持ち昆布にイカ明太和え。 八寸には玉子焼、分葱・昆布・蛸はぬた和え、大和芋はサメ軟骨と香り良い梅肉でさっぱりと。福砂焼、かに団子揚げ、海月中華風和え、菜の花辛子和え、ローストビーフ、鶏もも肉はバジルで風味よく焼き上げました。 煮物の蕪は蟹入り餡を纏い冬らしい優しいお味に仕上げました。人参、揚げ豆腐、茄子オランダ煮、ブロッコリーが彩りを添えます。 向付は鮪と鯛をご賞味頂きます。 利酒の会ではかれいの煮付けに煮大根を添えて。お酒が進む逸品です。 お食事は木の子の炊き込みご飯。お吸い物には江戸東京野菜の品川かぶをみぞれ仕立てにし、鶏つみれ、焼き葱、三つ葉、ゆずを合わせました。 最後の水菓子には、花餅・抹茶わらび餅・イチゴを。愛らしいデザートで宴を締めくくります。

江戸東京野菜を楽しむ

本日の江戸東京野菜 Ome Farmの「品川かぶ」

品川かぶ

  Ome Farmの島田さんによる、江戸東京野菜の解説が始まります。
 本日お持ち頂いたのは「品川かぶ」。江戸時代に品川宿周辺で栽培されていた、大根のような細長い形のカブです。明治以降生産が減り、一時は生産が途絶えてしまっていましたが、2007年、北品川で八百屋経営をしていた大塚好雄さんの手で復活を果たします。元々は漬物用のカブでしたが、火を入れて食べるのにも向いており、島田さん曰く、「オリーブオイル、塩、ニンニクで炒めたものは絶品。農作業後の疲れたところで食べると、もうたまりません」と、愛情たっぷりに語ります。

  • 本日の御料理
  • 本日の御料理

  本日のお料理では、みぞれ仕立てのお吸い物で。品川かぶの優しい甘みを引き立てます。葉はお醤油と油で炒め、余すところなくお召し上がりいただきました。

  • 本日の御料理
  • 本日の御料理

 また会場入り口では、販売会も行っています。今回は品川かぶを含む「季節の野菜セット」や、Ome Farmの野菜やハーブの花を蜜源とし加熱処理を行わない「農家がつくる蜂蜜」を販売。伝統的なお野菜や美味しい蜂蜜に、興味津々で質問されるお客様も。こちらも大盛況となりました。

落語とトークショーを楽しむ

 美味しいお酒やお料理に舌鼓を打った後、「蒲田行進曲」の出囃子で登場したのは皆さまお待ちかね、本日の主役、風間杜夫さん。
会場は拍手喝采、掛け声が響き渡り、大盛り上がり。心待ちにしていたお客様の期待が伝わります。

 戌年を迎えるということで、ご自身の出演された、山犬と少年の絆を描いた児童映画「断崖の少年」(1959年公開)のこんなエピソードも。雪解け川に浸かるシーンの撮影が続き、寒さに震えていると、当時の助監督にドラム缶風呂にザブンと浸けられ、また冷たい川での撮影に戻される...「今では考えられないね」と、軽快な語り口に笑いが起こります。

「その助監督ってのは、深作欣二(のちに出演する代表作、蒲田行進曲の監督)」と明かすと、会場は驚きと笑いで、さらに大盛り上がり。

一席目 『元犬』

風間杜夫

 一席目は、「犬」つながりで「元犬」。浅草蔵前の八幡さまの境内で「人間になりたい」と願い、人間の姿になってしまった真っ白な犬と、たまたま世話をすることになった隠居のやりとりがユーモラスな一話。江戸時代から伝わる古典落語で、今日まで楽しまれている大変人気のある演目です。明快な口調と小気味好いテンポで、滑稽話を演じ上げます。サゲのセリフを誤っても、風間杜夫のカリスマ性をもってすれば、盛り上がる材料でしかありません。客席は長い笑いの余韻に包まれます。

二席目 『芝浜』

風間杜夫

 一席目の「元犬」とは打って変わって、二席目は人情噺の名作「芝浜」。酒飲みで貧乏な魚行商の主人公・勝がひょんなことから、大金の入った財布を拾うが、真面目に働いてほしいと願う女房は、勝の泥酔に乗じて「財布なぞ最初から拾ってない」と言いくるめます。「落語家・風間杜夫」の本領を発揮するのはラストシーン、女房が真実を告白するシーンは圧巻です。心に響く感情表現はさすがのもの、会場中が魅せられます。

トークショー

『第三十四回 落語と日本酒と伝統野菜を楽しむ会 in 新橋演舞場』風間杜夫

 熱気冷めやらぬ中、トークショーが始まります。「芝浜」を演じるにあたり、志ん朝師匠の芝浜を聞き込んでいた風間さん。大変素晴らしく聞き惚れたが泣くことはなかった。いざ自分が覚えてテープに録ったものを聞くと、泣けてしまった...と裏話を披露すると、会場は大爆笑。「ここまで自分が好きだと救いようがないですね」と、もうひと笑い。しかし、先ほどの真に迫る演技を観た後「感情が入ると泣けてきてしまう」という言葉には、深く頷いてしまいます。
トークショーは客席からの質問や声援が飛び交い、「次回は風間さんとお客様が飲める席を企画しましょう」とのアナウンスに、会場からは大声援。大盛り上がりのうちに終了しました。

お酒を楽しむ

演舞場の美味を楽しむ

 八海山の余田さんにお酒の解説をして頂きます。
言わずと知れた、新潟の地酒を代表する銘酒『八海山』の酒蔵です。今回は、フラッグシップとも言える特別本醸造から、新設された蔵で仕込まれた高級酒、世界を見据えたスパークリング日本酒まで、バリエーション豊かな4本をお持ちいただきました。

  • お酒を楽しむ
  • お酒を楽しむ

八海山 特別本醸造酒
冷やでよし、燗でよしの八海山を代表する銘柄。
お料理を邪魔しないすっきりとした飲み口で、流通する八海山うちの4割を占める、馴染みの深いお酒です。
今回は冷やでお召し上がり頂きました。

八海山 純米吟醸 ぬる燗
米の旨みと、まろやかな喉越しが特徴の、穏やかな味わいのお酒です。
こちらもお食事と共にお楽しみいただける、おすすめの一本です。
ぬる燗で、ふくよかな香りをお楽しみ頂きました。

八海山 瓶内二次発酵 あわ シャンパングラス
フルーティーな香りと上品な甘み、爽やかなスパークリングの口当たりは自然発酵による炭酸ガスによるもの。グラスに注いだとき繊細な一筋泡が立つのが特徴で、クリスマスなどのイベントや乾杯のシーンでお楽しみいただけます。また、2020年東京オリンピックの公式乾杯酒を目指し、「一般社団法人 awa酒協会」に加盟しているのだそう。2年後が楽しみですね。

八海山 純米大吟醸 浩和蔵仕込み
2014年に新設された、超高級酒を製造する「浩和蔵」で仕込まれた一本。 「浩和蔵」は初代と先代の蔵元の名前から、一文字ずつ受け継いで名付けられた最高品質を追求する蔵です。 兵庫県産山田錦45%精米、淡麗の中にもしっかりとした旨みを感じる味わいです。
水ではなく、酒で酒をしこんだというまろやかな貴醸酒は未発売のお酒。発売は11月下旬を予定しているその美味しさをいち早く味わいました。甘さを兼ね備えながらもすっきりとフルーティな味わいが頬の中に広がります。ボトルデザインも現在制作中の特別な一杯を手に幸せな笑顔が広がりました。

『第三十四回 落語と日本酒と伝統野菜を楽しむ会 in 新橋演舞場』風間杜夫

お楽しみ抽選会を楽しむ

 今回の抽選会は、いつもにも増して大盛況!各テーブルから和気藹々とした歓声が聞こえてきます。OME FARMさんからは、品川かぶ、お届け野菜セット、はちみつを。八海山さんからは、甘酒20本の大盤振る舞い。一合升や前掛け、Tシャツなどもプレゼント頂きました。

  • お楽しみ抽選会
  • お楽しみ抽選会

 風間杜夫さんからは提灯と色紙を各5名様に。
本日の公演ですっかり心を掴まれたお客様は、一喜一憂の大盛り上がり。

  • お楽しみ抽選会
  • お楽しみ抽選会

 2017年最後の「東寄席」は、とても温かい雰囲気でお開きとなりました。
2018年もご愛顧のほど、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

 
 次回「東寄席」は1月30日、柳家三三 独演会「落語と津山市の名産を楽しむ会」です。どうぞお楽しみに!

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