演舞場発 文化を遊ぶ 第十一回

演舞場発 文化を遊ぶ 第十一回
なでしこの踊り 新春 2018

なでしこの踊り・新春 2018

東京新橋組合とのコラボレーション企画、
新橋芸者衆 若手連中による「なでしこの踊り」が今春も開催されました。
ご好評を頂き今回で八回目の開催を迎えます。

なでしこの踊り・新春 2018

演舞場の大舞台で五月に華やかに催される東をどり。
その晴れの舞台を夢見て日夜稽古に励む、新ばし若手芸者による「なでしこの踊り」は、次世代を担うスター探し、そんな趣もございます。

また、普段なかなか体験できないお座敷遊びを楽しめるとあって、今回もたくさんのお客様にお越しいただきました。

  • 千代加さん
  • のりえさん
  • 清乃さん
  • たまきさん

【一組】千代加さん、のりえさん、清乃さん、たまきさん

  • 喜美弥さん
  • きみ鶴さん
  • ぼたんさん
  • 小優さん

【二組】喜美弥さん、きみ鶴さん、ぼたんさん、小優さん

本日の特別会席

本日のお料理

新橋の料亭の流れをくむ新橋演舞場の特別会席弁当をお楽しみ頂きました。
日本料理は季節を器に盛り付けます。
旧暦のお正月に合わせて開催されるなでしこの踊り。
芝海老煮や子持ち昆布など、お正月らしい品に加え、
筍木の芽和えや、鰆塩麹焼き、あぶり蛤など、春の風情を感じて頂けるお料理をご用意しました。

芸者衆による新橋よもやま話と踊り解説

これまでは大きいお姐さんに、演目の解説をして頂いておりましたが、前々回よりご好評いただいております、若手芸者衆による解説が始まります。一組は男型の千代加さんと、二組はこちらも男型の喜美弥さんにお話頂きました。

解説

左が一組の千代加さん、右が二組の喜美弥さん

二組、今年で芸歴十五年目を迎える千代加さんは、十代の後半に歌舞伎やお着物、お芝居といった日本文化に 魅せられこの世界へ。全くの未経験でこの世界へ飛び込んだため「踊る体」を作るまでが大変でした、あっというまの十五年でした、と語ります。

二組の喜美弥さんは尾上流で男形をお勉強されており、そのほかにもお三味線、お囃子など色々お稽古中。大学で日本文学を学ばれた後に新橋の世界に飛び込みました。「芸者として必要なものは全て新橋で学びました」とお話しされました。

衣装の解説へ。
冬のなでしこでは恒例となりました、艶やかな新橋の新春の装いです。

解説


女形の立方さんは、芸者の第一正装である黒紋付。
頭には『お客様をトリコメ、トリコメ』という意味を込め稲穂をさします。
帯は歩くと柳のようのゆらゆら揺れる「柳」という結び方。
この結び方をするときは、頭に笄(こうがい)と呼ばれる装飾をつけることが決まりとなっています。

解説

男型の髪型は「前割れ」と呼ばれる、ちょうど真ん中から割れたスタイルで、差物も銀のかんざし一本というとてもシンプルな形です。
着物は、女型と違い裾を引かない「端折り」と呼ばれる着方に、帯は半玉のたまきさんと同じ後見帯をしめ、キリッとした印象に仕上げています。

解説

半玉のたまきさんは「お酌さん」と呼ばれる見習いの芸者さんです。
お着物は、可愛らしさ、お正月らしさを引き立てる振袖。
京都・祇園の舞妓さんとは違い、帯は「だらり」ではなく後見帯という結び方。
また、たまきさんは鬘を使わず、地毛で髪の毛を結っています。

なでしこの踊り

例年よりも少し早い時期に開催された、今回のなでしこの踊り。
より「お正月」を意識した選曲になりました。
春の訪れを寿ぐ祝い唄をお届けします。

小唄「春日三番叟」

  •  小唄「春日三番叟」
  •  小唄「春日三番叟」

五穀豊穣を願う三番叟は古くから別格な楽曲です。 舞初めには、踏む足拍子で字を固め、終盤、鈴の段には種まきの所作があります。 荘厳さと華やかさのある、お正月にぴったりの一曲です。 縁起物で特別な曲なので丁寧に踊っています、と 喜美弥さん。

小唄「松竹梅」

  • 小唄「松竹梅」
  • 小唄「松竹梅」
  • 小唄「松竹梅」
  • 小唄「松竹梅」
  • 小唄「松竹梅」
  • 小唄「松竹梅」

松竹梅、それぞれの踊り手の違いを唄の歌詞に注目しながらご覧ください、 と 千代加さんが解説してくださいます。 唄の一番は唐崎、明神様の松。続いて富岡八幡様はご新竹。三番は湯島の天神さまは梅。 松竹梅は目出度き三寒の雄、それぞれに願いを掛ける三人の姿を見て頂きます。

小唄「七福神」

小唄「七福神」

荘重に七福神を詠みながら紅一点の弁天を褒めました。
毘沙門天が拗ねると、それを笑う皆の様子、笑う角には福くると納めます。
一人で七役の神様を演じ分けます。

今回のなでしこの踊りは、四曲目は、一組と二組で違う曲を舞って頂きました。

一組:小唄「門松」

一組:小唄「門松」

羽子板、三河萬歳、鳥追い、凧揚げなど、お正月の風物を唄った曲です。 千代加さん曰く、 新春、お姉さん芸者と妹芸者が遊んでいる情景を、 想像してご覧いただければ、と語ります。

二組:小唄「君に逢う夜は」

二組:小唄「君に逢う夜は」

梅の香に誘われて出てきた二人の、春に浮き立つ心持ちを表した一曲。 「梅の春」という長い曲のごくごく一部で、題名の通り、梅の時期である1月2月のみ踊られます。 「ほーほけきょ」と鶯笛の音が入っており、鶯の声に誘われて二人が出てきたところを 想像していただければ、と 喜美弥さん。

清元「女郎花 -四季三番叟より- 」

清元「女郎花 -四季三番叟より- 」 清元「女郎花 -四季三番叟より- 」

四季折々、草花を詠みこんだ四人立ちの賑やかな踊りです。 息のあった総踊りをお楽しみ頂きます。

端唄「奴さん・獅子は・さわぎ」

端唄「奴さん・獅子は・さわぎ」 端唄「奴さん・獅子は・さわぎ」

座敷では頻繁に踊られる端唄メドレーで華やかに締めくくります。

新橋芸者の定番とされており、「定番・基本だからこそ、しっかりと踊りなさい」と大きいお姉さんから指導されるという、想いのこもった一曲です。

お座敷遊び

お座敷遊び

お食事のあとは、お待ちかねのお座敷遊び体験です。 お客様の中から五名の方に、お座敷遊びの定番「虎けん」に参加して頂きました。

  • お座敷遊び
  • お座敷遊び

「主役はお客様」というお座敷遊びに習い、舞台に上がれなかったお客様にも楽しんでいただく趣向として、司会進行役の内藤さんの刺客として、客席にマイクを持ったスタッフが。
「トラ、トラ、トーラ」と歌に乗せ、お客様一体となって楽しんで頂きました。

芸者衆との交流タイム

芸者衆との交流タイム

お座敷遊びで、芸者衆との距離がぐっと縮まったところで、交流タイムが始まります。
客席をまわりご挨拶をする芸者衆に、励ましやお褒めの声をかけてくださったり、写真撮影をして頂いたりと、思い思いに和やかな時間を過ごして頂きました。

芸者衆との交流タイム

本日の演目で使用した曲のCDプレゼントじゃんけん大会なども行われ、 和気藹々とした雰囲気で、宴は続きます。

最後は芸者衆とお姐さん方からのご挨拶と、手締めで締めくくりとなりました。

花街・花柳界情報サイト「全国花街・芸者ひろば」にて「なでしこの踊り 新春2018」の様子をご掲載いただきました。
<東京・新橋>変わりゆく花柳界。「なでしこの踊り」

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