演舞場発 東寄席 第四十八回

演舞場発 東寄席 第四十八回 2019年2月28日(木)

第四十八回『落語と日本酒と伝統野菜を楽しむ会』にお越しいただきまして、誠にありがとうございました。

『第四十八回 落語と日本酒と伝統野菜を楽しむ会in新橋演舞場』古今亭文菊

今宵は古今亭文菊師匠を高座にお迎えし、冬の雨の下の「東寄席」を笑いと色気で彩っていただきました。

お食事は、新橋料亭街伝統の味を受け継ぐ演舞場の調理場でご用意させていただきました。
お料理と共にお楽しみいただいたお酒は、高知の酔鯨酒造さんの日本酒「酔鯨」。
それでは振り返りをご紹介いたします。

演舞場の味覚を楽しむ

本日の演舞場のお料理

高座と日本酒を楽しみながらお召し上がりいただくお料理は、新橋料亭街伝統の味を受け継ぐ演舞場の調理場でご用意させていただきました。

先付けには、本日の伝統野菜しんとり菜の煮浸し。

八寸は、かぶら甘酢漬け、玉子焼、いかの塩辛おろし添え、揚げだし豆腐、赤藻屑入りあん掛け、野沢菜のお浸しと鶏ハラミ肉の炭火焼。

煮物に、蒟蒻、牛蒡、里芋、花人参、ブロッコリー。
向付はサーモンに鯛と帆立をご用意しました。

主菜はほうれん草とヤングコーンを添えた太刀魚の香草バター焼き。

焼きおにぎりの鮭茶漬けの後は、杏仁豆腐とフルーツゼリーで締めていただきました。

落語を楽しむ

開口一番『子ほめ』桃月庵ひしもち

本日の開口一番をお勤めいただいたのは、桃月庵ひしもちさん。桃月庵白酒師匠のお弟子さんです。

演目は「子ほめ」。
タダ酒をねだる手立てを御隠居に乞う熊公。そこで世辞さえ言えばタダ酒が飲めると合点した熊公は喜んで町に飛び出しますが……。
愚か者だけれどもどこか憎めない男のおかしみを演じるのに、ひしもちさんの若々しさと愛嬌のある笑顔はもってこい。熊公の屈託のない人柄が、可笑しみ半分、呆れ半分の笑いを誘い会場を温めます。

一席目『転宅』古今亭文菊

お囃子とともに熱のこもった拍手が溢れます。本日の主役、古今亭文菊師匠のご登場です。
品のある老緑の羽織で登壇された文菊師匠は、本日で四度目の「東寄席」でのお勤めとなりました。

「古典落語の本格派」と称される文菊師匠。静かな口調でお話しはじめましたが、流石の風格と間でいつのまにやら会場の空気を文菊色に染め上げます。

『第四十八回 落語と日本酒と伝統野菜を楽しむ会in新橋演舞場』古今亭文菊

そんな中、流れるように始まった一席は「転宅」。
間抜けな泥棒が仕事に入ったものの、そこにいた機転の効く権妻お梅さんに振り回され、見事に騙されてしまう古典の演目です。
文菊師匠の演じ分ける見事な女方に会場は魅了されました。

〜仲入り〜

二席目『三方一両損』古今亭文菊

仲入りの後、再度の登場を待ちわびた拍手はさらに熱がこもります。
お客様とのやりとりを交えつつ、自身の境遇を交えた江戸っ子にまつわるマクラにすっかり会場はできあがります。

荒っぽい口調ながら愛嬌ある左官の金太郎の登場で始まったのは「三方一両損」。
いわゆる大岡政談の一席ですが、文菊師匠の演じるふたりの江戸っ子の一挙手一投足に会場は抱腹絶倒となります。

頑固な江戸っ子たちによる頓狂なすったもんだも、越前の計らい――三方一両損――で落着。
荒っぽい厄介者同士の諍いながらも、それぞれの人柄の魅力際立つ語り口に魅了された客席からはこの日いちばんの拍手が溢れました。

『第四十八回 落語と日本酒と伝統野菜を楽しむ会in新橋演舞場』古今亭文菊

江戸伝統野菜を楽しむ

後関晩生小松菜

今宵も、江戸東京野菜コンシェルジュの資格を持つOmeFarmの島田さんが、美味しいお野菜をご紹介くださいました。
お客様にはあいにくとなったこの日のお天気も、農家の島田さんにとっては嬉しい雨。

本日、先付けの煮浸しとして出されたしんとり菜は、ちりめん白菜などと呼ばれ、芯の甘い部分のみを贅沢に使っていたことがその名前の由来とのこと。
今年はあたたかくなるのが早く、例年よりも早く、今宵のしんとり菜はいちばん甘い時を迎えているとのことでした。

お酒を楽しむ

  • 望月商店さん
  • 夢心酒造さん

今宵のお酒を提供していただいた酔鯨酒造さんをご紹介いただいたのは、神奈川県厚木市でお店を営む望月酒店さん。

みなさんお馴染みの高知の名酒「酔鯨」。あらためて紹介にあたったのは、伝統を守りながらも新しいことに挑戦するその姿勢に共感してとのこと。
現代の落語に通ずる姿勢で挑戦を続ける「酔鯨」は、鯨をモチーフにしたラベルも可愛らしく魅力的です。

本日の日本酒

(写真右から)

酔鯨 純米吟醸 吟麗

香りを控えつつ、キレの良い純米吟醸酒。「食中酒」をテーマとした「酔鯨」の代表的一本です。

酔鯨 特別純米

こちらも香りは控えつつ、酔鯨特有の酸味の効いたキレのある純米酒。パッケージの鯨が素敵です。

酔鯨 純米吟醸 吟麗 未濾過すっぴん

上槽後のろ過工程をできるだけ減らし、本来の味わいを表現した季節限定の一本。

酔鯨 純米大吟醸 山田錦

酒米の最高峰「山田錦」を用いた辛口純米大吟醸酒。料理との相性はもちろん、インパクトのある旨味と香りの大吟醸です。

お楽しみ抽選会

最後は東寄席恒例の「お楽しみ抽選会」です。
OmeFarmさんからは、しんとり菜やお届けお野菜セット、演舞場からはサイン入りポスター。
酔鯨酒造さんからは内側に鯨が描かれた蛇の目のお猪口と前掛け。
そして文菊師匠からは色紙を四枚ご提供いただきました。

  • お楽しみ抽選会
  • お楽しみ抽選会
  • お楽しみ抽選会
  • お楽しみ抽選会

今回も満員御礼、大盛況のうちに幕を閉じた『東寄席』。
次回は2019年3月29日(金)、「柳家三三 独演会」です!どうぞお楽しみに!

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