演舞場発 東寄席 第六十五回

演舞場発 東寄席 第六十五回 2019年11月28日(木)

第六十五回東寄席、『落語と日本酒と有機無農薬野菜を楽しむ会』にお越しいただきまして、誠にありがとうございました。

『第六十五回 落語と日本酒と有機無農薬野菜を楽しむ会in新橋演舞場』入船亭扇遊独演会

小雨の降る寒い夜でした。先週あたりから、ようやく本格的な冬の気候となりました。

今宵、高座にお迎えしたのは東寄席二度目のご出演、今年紫綬褒章を授与された入船亭扇遊師匠。
お料理と共にお楽しみいただいたお酒は、三回目のご紹介、新潟の酒蔵、今代司酒造さん。
それでは振り返りをご紹介いたします。

演舞場の味覚を楽しむ

本日の演舞場のお料理

高座と日本酒を楽しみながらお召し上がりいただくお料理は、新橋料亭街伝統の味を受け継ぐ演舞場の調理場でご用意させていただきました。

先付けには、品川蕪の木ノ子あん掛け。

八寸には、玉子焼、磯貝の串刺し、甘エビと野菜のかき揚げ、花蓮根甘酢漬け、からし蓮根揚、タラモサラダ、つくね串刺し。
煮物に高野豆腐、蒟蒻、南瓜、焼き湯葉、花人参。
向付は鮪と寒ぶりの刺身をご用意しました。

主菜は銀鱈の西京焼きに刻み芝漬けを添えたものを。

あさりの炊き込みごはんと菊花真丈、板麩、三つ葉、柚子の吸い物のあとには、抹茶わらび餅と柿の練り切りをお召し上がりいただきました。

落語を楽しむ

開口一番『寿限無』入船亭扇ぱい

本日の開口一番をお勤めいただいたのは、扇遊師匠のお弟子さんである入船亭扇ぱいさん。アナウンサーを経てからの入門という異色の経歴をお持ちの方です。

ご披露いただいた演目は『寿限無』。
誰もが知る、早口言葉や言葉遊びの要素が多い古典演目ですが、元アナウンサーという経歴を活かし、前座となって二ヶ月足らずとは思えない話芸をご披露いただきました。

一席目『夢の酒』入船亭扇遊

大きな拍手とともに入船亭扇遊師匠のご登場です。

今宵の雨に雨男で申し訳ないとご挨拶いただいた後、開口一番をお勤めいただいた扇ぱいさんの経歴に触れたりと、お話が優しさに溢れていたことが印象的でした。

そんな師匠にご披露いただいた一席目は『夢の酒』。『夢の悋気』という題も持つ古典の演目です。悋気(りんき)とはすなわち嫉妬。
荒唐無稽なあらすじから想えば『夢の悋気』がふさわしいようにも思えますが、扇遊師匠の機微を描き出す巧みな語り口を愉しんだ後には、『夢の酒』という叙情的なタイトルがぴったりと感じられました。

〜仲入り〜

二席目『お見立て』入船亭扇遊

二席目『お見立て』入船亭扇遊

仲入りをはさみ、ふたたび大きな拍手とともに登壇された扇遊師匠。

二席目はいわゆる「廓噺」のひとつ、『お見立て』。
とはいえ、舞台こそ吉原遊廓ですが、どちらかといえば滑稽噺としての印象が強いこの演目。
直接、相まみえることのない遊女と客。その合間で翻弄される妓夫のおかしみ。
あらためて想えば残酷なおはなしですが、ころころと変化する場所や状況、そしてそこにおこる滑稽を淀みなく見せてくれるさすがの名人芸に、客席は大きな笑いに包まれました。

江戸伝統野菜を楽しむ

本日も、江戸東京野菜コンシェルジュの資格を持つOmeFarmの島田さんが、美味しい江戸東京野菜をご紹介くださいました。

本日の野菜は品川蕪。
築地市場で「江戸野菜の復活」に取り組んだ八百屋経営者によって「東京大長蕪」が図説にある「品川蕪」に酷似していることがわかり、この蕪がいま「品川蕪」として販売されているとのこと。 島田さんもお気に入りの江戸東京野菜「品川蕪」、今宵は木ノ子あん掛けして先付けにご提供いたしました。

お酒を楽しむ

  • 今代司酒造さん
  • 今代司酒造さん

今宵のお酒を提供していただいたのは、東寄席三回目のご紹介、新潟の今代司酒造さん。

美しいラベルのそれぞれを、社員の渡辺さんが丁寧にご説明くださいました。

本日の日本酒

(写真右から)

天然水仕込み 純米酒

食中酒としての日本酒を追求し、生み出された純米酒。

しぼりたて 純米 無濾過生原酒

この日発売日だった、まさしく「しぼりたて」の生原酒。

福酒 金箔入り 純米大吟醸酒

ダルマのラベルが印象的な、金箔入りのおめでたい純米大吟醸。

今代司 錦鯉

錦鯉を模した美しいパッケージのとおりの華やかな逸品。

お楽しみ抽選会

  • 入船亭扇遊さんのサイン入りポスター
  • 酒粕で作られた飴
  • 前掛け
  • 入船亭扇遊さんのサイン色紙

最後は東寄席恒例の「お楽しみ抽選会」です。
演舞場からは入船亭扇遊師匠のサイン入りポスター。OmeFarmさんからはお届けお野菜のセット。今代司酒造さんからは酒粕で作られた飴や前掛けなど。そして扇遊師匠からは二種類の素敵な色紙をご提供いただきました。

今回も満員御礼、大盛況のうちに幕を閉じた『東寄席』。
次回もどうぞお楽しみに!

ページトップへ