演舞場発 東寄席 第五十回

演舞場発 東寄席 第五十回 2019年3月30日(土)

第五十回『落語と日本酒と伝統野菜を楽しむ会』にお越しいただきまして、誠にありがとうございました。

『第五十回 落語と日本酒と伝統野菜を楽しむ会in新橋演舞場』柳家さん喬

常々のご愛顧にあずかりまして、「東寄席」は本日、五十回を数えることができました。

今日は節目とありまして、その都度ご登壇いただいている柳家さん喬師匠を高座にお迎えいたしました。
お食事は、新橋料亭街伝統の味を受け継ぐ演舞場の調理場でご用意させていただきました。 お料理と共にお楽しみいただいたお酒は、福島県の末廣酒造さんの日本酒。
それでは振り返りをご紹介いたします。

演舞場の味覚を楽しむ

本日の演舞場のお料理

高座と日本酒を楽しみながらお召し上がりいただくお料理は、新橋料亭街伝統の味を受け継ぐ演舞場の調理場でご用意させていただきました。
先付けには、本日の伝統野菜のらぼう菜の煮浸し。

八寸は、高菜油炒め、玉子焼、牛肉の時雨煮、花蓮根甘酢漬け、焼野菜のアヒージョソース掛け、しじみの佃煮、真子甘煮、水晶チキントマトソース掛け。

煮物に、蒟蒻、高野豆腐、里芋、花人参、ブロッコリー。
向付は鮪と甘海老の刺身をご用意しました。

主菜にはさばの味噌煮に、焼き長ねぎを添えて。

炊き込み五目御飯と若布、三つ葉、柚子の吸い物の後は、締めにコーヒーゼリーをお召し上がりいただきました。

落語を楽しむ

開口一番『まんじゅうこわい』柳家喬の字

本日、急遽開口一番をお勤めいただいたのは、柳家喬の字さん。今年の九月に真打昇進と五代目柳家小志んの襲名を控えられています。

披露いただいたのは「まんじゅう怖い」。
怖いものなどないとうそぶく男。ところが問い質してみるとまんじゅうが怖いと言う。それを面白く思った男たちは、男の寝ぐらに大量のまんじゅうを忍ばせますが......。
突然のご登壇でしたが、古典落語の中でも一二を争う有名な演目で「東寄席」の節目に華を添えていただきました。

一席目『転宅』柳家さん喬

『第五十回 落語と日本酒と伝統野菜を楽しむ会in新橋演舞場』柳家さん喬

大きな拍手とともに本日の主役、柳家さん喬師匠のご登場です。
花の見頃とあって東京の花の多さやその風景の描写、さらには本日のお酒「末廣」に触れつつ、いつの間にやら会場には笑いが溢れます。

一席目は「そば清」。
場所は江戸。見慣れぬ大喰らいの男に感心したそば屋の客たちは、男がどれだけのそばを平らげることができるか賭けを始めます。
ところがその男は「そばっ食いの清兵衛」略して「そば清」で知られる有名な大喰らい。呆気なく賭けに負けたそば屋の客たちは、リベンジとばかりに50枚の大食いを清兵衛に持ちかけますが......。
さん喬師匠演じる清兵衛は挨拶するだけでもどこか可笑しい。そんな調子ですから、清兵衛がそば湯を飲むだけで、その一挙手一投足に会場からは大きな笑いがこぼれます。

〜仲入り〜

二席目『井戸の茶碗』柳家さん喬

『第五十回 落語と日本酒と伝統野菜を楽しむ会in新橋演舞場』柳家さん喬

一席目の熱が冷めぬままの客席からは万雷の拍手。
再度ご登場いただいたさん喬師匠が噺し始めたのは「井戸の茶碗」でした。

「正直清兵衛」と呼ばれる屑屋の清兵衛。その名の通りたいへんな正直者ですが、それが災いしてふたりの武士の板挟みとなってしまい......。

愚直な清兵衛の人柄、その矜持から品のあるふたりの武士。
それぞれのやりとりは滑稽ながらも、さん喬師匠が演じ分ける三者三様の心意気に最後は胸が熱くなりました。
節目となった五十回目の「東寄席」を、大きな笑いと感動で彩っていただきました。

江戸伝統野菜を楽しむ

  • OmeFarmの島田さん
  • のらぼう菜

本日も、江戸東京野菜コンシェルジュの資格を持つOmeFarmの島田さんが、美味しいお野菜をご紹介くださいました。

本日の江戸伝統野菜は、先付けに煮浸しとして出されたのらぼう菜。
西東京生まれの歴史ある江戸東京野菜は花が咲く直前のいまがもっとも旬とのこと。節目にあって、一番良い時期の野菜を提供できたと島田さんもお喜びでした。

お酒を楽しむ

今宵のお酒を提供していただいたのは福島県会津の末廣酒造さん。

1850年に創業され、大正時代には「山廃」と称される酒造製法を実現させた伝統ある酒蔵です。

地元の契約農家によって育てられた原料米を使い、「米」「水」「人」そして「会津」にこだわった日本酒をお持ちいただきました。

本日の日本酒

(写真右から)

伝承山廃純米 末廣

大正初期より伝承される山廃造り。バランスに優れた山廃純米酒。

純米吟醸無濾過原酒 末廣

会津の厳しい寒さのもと仕込まれた、無濾過ならではの鮮やかな一品。

純米大吟醸 ゆめのかおり 特別純米

フルーティーな香りをたくわえつつもキレのある一品。

会津農書 有機米特別純米 与次右衛門

会津の名主、佐瀬与次右衛門の残した「会津農書」に則り作られ、その名を宿した銘酒。

お楽しみ抽選会

最後は東寄席恒例の「お楽しみ抽選会」です。
OmeFarmさんからは、のらぼう菜やお届けお野菜セット、演舞場からはサイン入りポスター。
末廣酒造さんからは、お猪口と前掛け。その他にも地鶏と酒粕を使ったカレーや甘酒など、大盤振る舞いいただきました。
そしてさん喬師匠からは二種の綺麗な色紙をご提供いただきました。

  • お楽しみ抽選会
  • お楽しみ抽選会
  • お楽しみ抽選会
  • お楽しみ抽選会

今回も満員御礼、大盛況のうちに幕を閉じた『東寄席』。
次回は2019年4月22日(月)、「古今亭菊之丞 独演会」です!どうぞお楽しみに!

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