演舞場発　東寄席　第五十五回

演舞場発東寄席第五十五回 2019年6月28日（金）

第五十五回『落語と日本ワインと伝統野菜を楽しむ会』にお越しいただきまして、誠にありがとうございました。

関東は月初めに梅雨に入り、じめじめとした日が続いています。そんな時節の「東寄席」でしたが、今宵は天気が持ちこたえてくれました。
さて、いつもでしたら落語と共に楽しんで頂くのは「日本酒と伝統野菜」ですが、今宵は趣向を変え「日本ワインと伝統野菜」を楽しんでいただきました。
お料理と共にお楽しみいただいたワインはセトワイナリーさんの日本ワイン。
高座にお招きしたのは、こちらも普段とは趣を異にしまして、創作落語で大人気の三遊亭白鳥師匠です。
それでは振り返りをご紹介いたします。

演舞場の味覚を楽しむ

本日の演舞場のお料理

高座と日本ワインを楽しみながらお召し上がりいただくお料理は、新橋料亭街伝統の味を受け継ぐ演舞場の調理場でご用意させていただきました。

先付けには、茄子の煮浸し。

八寸には、さくら肉ソテー焼野菜添え、海老真丈変わり揚、玉子焼、野沢菜のお浸し、とろろ芋、紅生姜入りすり身団子、本日の伝統野菜としてご紹介するズッキーニのフライ、ミニかにクリームコロッケ、モンゴ烏賊とあおさのみぞれ和え、海老芝煮と一口昆布、そして花蓮根甘酢漬。
煮物には、蒟蒻、一口がんも、筍、花人参、里芋、おくら。
向付は鮪と鯵の刺身をご用意しました。

主菜には黒むつの塩麹焼に珈琲風味の花豆と酢取茗荷を添えて。

帆立と鮭炊込みごはん、枝豆真丈と三つ葉と柚子の吸い物の後には、フルーツとゼリーのアソートをお召し上がりいただきました。

落語を楽しむ

一席目『落語の仮面第一話』三遊亭白鳥

チャイコフスキー『白鳥の湖』の出囃子と共にご登場された三遊亭白鳥師匠。

今宵は、新橋演舞場で過去に上演された美内すずえ先生原作の舞台『ガラスの仮面』、そのパロディ作品である『落語の仮面』を二席目に予定していましたが、お客様との交流を交え、急遽一席目に披露して頂きました。

すでに場内はすっかり盛り上がっていましたが、知らないお客様のために原作である『ガラスの仮面』の概要をお話くださった三遊亭白鳥師匠。
そうしたやりとりを踏まえた笑いも取り入れられた『落語の仮面』に会場は大きく湧きました。

〜仲入り〜

二席目『隅田川母娘』三遊亭白鳥

仲入りをはさみ、次はどんな演目が聞けるのかという期待の混じった拍手に包まれ白鳥師匠が高座に上がります。

実は本日の日本ワインをご提供いただいたセトワイナリーさんと同郷である白鳥師匠。
地元新潟で見ず知らずの方に絡まれてしまいますが、風評を危惧してその場を穏便に済ませた経験をお話しされます。自分のような落語家でも言いたいことが言えない。そんな枕で始まったのが『隅田川母娘』。

白鳥師匠も演目の冒頭で仰られていましたが、諸事情でこちらの内容はここには書けません。どうぞお赦しください。
その時その場でしか体験できないのが寄席の魅力のひとつ。なぜ書けないのか、どんな話なのか。会場にいらっしゃったお客様には得心いただき、そうでないみなさまには今後の白鳥師匠の寄席へおいでになられることをお勧めいたします。

江戸伝統野菜を楽しむ

本日も、江戸東京野菜コンシェルジュの資格を持つOmeFarmの島田さんが、美味しいお野菜をご紹介くださいました。

本日の野菜はズッキーニ。
実はこのところの天候不良が災いし、予定していた江戸伝統野菜の寺島茄子がご用意できなかったと残念そうにお話しされる島田さん。
ですが、ズッキーニは旬の短い野菜。お酒が日本ワインのタイミングでご提供できたこともまた巡り合わせかもしれません。

お酒を楽しむ

今宵のお酒を提供していただいたのは新潟のセトワイナリーさん。
「東寄席」はじめての日本ワインのご紹介です。

セトワイナリーさんは瀬戸潔さんが2010年に新潟でワイン造りを学ぶことから始めた新しいワイナリー。葡萄の栽培からワインの醸造まですべて瀬戸さんが手がけ、ドライで食事に合うワイン造りを目指しています。