演舞場発　東寄席　第五十六回

演舞場発東寄席第五十六回 2019年6月29日（土）

第五十六回『落語と日本酒と伝統野菜を楽しむ会』にお越しいただきまして、誠にありがとうございました。

梅雨空が続きますが、今宵は涼しく比較的過ごしやすい気候となりました。
本日の高座には古典落語の本格派、人気急上昇中の三遊亭兼好師匠をお迎えしました。「東寄席」には四回目のご出演です。
お料理と共にお楽しみいただいたお酒は、兼好師匠と同郷である福島に酒蔵を構える国権酒造さんの日本酒。こちらは三度目のご紹介です。
それでは振り返りをご紹介いたします。

演舞場の味覚を楽しむ

本日の演舞場のお料理

高座と日本酒を楽しみながらお召し上がりいただくお料理は、新橋料亭街伝統の味を受け継ぐ演舞場の調理場でご用意させていただきました。

先付けには、茄子のオランダ煮。

八寸には、さくら肉ソテー焼野菜添え、海老真丈変わり揚と豆腐つくねの甘酢あんかけ、烏賊の軟骨レモンゼリー寄せに紅生姜入りすり身団子、ズッキーニのフライ、乱切り蓮根桜あん和え、海老芝煮、玉子焼。
煮物には、高野豆腐、蒟蒻、里芋、花人参、ブロッコリー、牛蒡。
向付は鮪と甘海老の刺身をご用意しました。

主菜は銀だらの西京焼にきゃらぶきを添えて。

筍と帆立の炊込みごはん、枝豆真丈、板麩と三つ葉と柚子の吸い物の後には、黒豆ゼリー寄せをお召し上がりいただきました。

落語を楽しむ

開口一番『やかん』三遊亭じゃんけん

本日の開口一番をお勤めいただいたのは兼好師匠の二番弟子である三遊亭じゃんけんさん。

同じ話芸である落語と講談の違いを巧みに演じ分け枕とし、披露いただいた演目は『やかん』。見事な腕前に客席も唸ります。

一席目『近日息子』三遊亭兼好

大きな拍手とともに三遊亭兼好師匠のご登壇です。

瞬く間に終始明るい笑いを作り出す兼好師匠。そのキャラクターとテンポ良く生み出される笑いに会場は早くも抱腹絶倒となります。

そんな兼好師匠の一席目は『近日息子』。元々は上方の演目であった作品に現代的くすぐりを取り入れ、あらすじを知る落語通のお客様も思わず吹き出します。
見事な兼好流『近日息子』に会場はすっかり魅了されました。

〜仲入り〜

二席目『青菜』三遊亭兼好

仲入りをはさみ、すっかり兼好師匠の作り出す楽しい雰囲気に魅了された客席からは大きな拍手。

昨今の日本の妙な気候を枕に、兼好師匠の噺し始めた二席目は『青菜』。
こちらも元々は上方の演目で、植木屋とその妻が上品な隠居夫婦の真似を試みることから始まる滑稽噺です。

前半は植木屋の頓狂な様子に大いに笑い、その前半を受け畳み掛けるような展開が訪れる後半には、会場から悲鳴にも近い笑いと大きな拍手が。

一席目の『近日息子』の振り返りに「抱腹絶倒」という言葉を使ってしまいましたが他に言いようが思い浮かびません、それを上回る「抱腹絶倒」の中、兼好師匠は会場からの終わりを惜しむような拍手に包まれ高座を後にされました。

江戸伝統野菜を楽しむ

本日も、江戸東京野菜コンシェルジュの資格を持つOmeFarmの島田さんが、美味しいお野菜をご紹介くださいました。

本日の野菜は昨日に続きズッキーニ。
天候不良によって予定していた寺島茄子がご用意できなかったことは昨日の振り返りでも述べましたが、代打のズッキーニの魅力、おすすめの食べ方などをお話いただき、この日の即売会も大変盛況でした。