演舞場発 東寄席 第五十八回

演舞場発 東寄席 第五十八回 2019年7月30日(火)

第五十八回東寄席、『落語と地ビール&日本酒と伝統野菜を楽しむ会』にお越しいただきまして、誠にありがとうございました。

『第五十八回 落語と地ビール&日本酒と伝統野菜を楽しむ会in新橋演舞場』立川生志

梅雨明けとともに日中は猛暑が続きます。
宵の夏に高座にお招きしたのは、今回で三回目のご出演である立川生志師匠。
お料理と共にお楽しみいただいたお酒は、和歌山の平和酒造さん。こちらは四回目のご紹介です。
それでは振り返りをご紹介いたします。

演舞場の味覚を楽しむ

本日の演舞場のお料理

高座と日本酒を楽しみながらお召し上がりいただくお料理は、新橋料亭街伝統の味を受け継ぐ演舞場の調理場でご用意させていただきました。

先付けには、寺島なすのそぼろ餡かけ。

八寸には、牛肉ともやしとニラの炒め物、鴨むね肉串刺し、オクラと昆布の旨塩だれ和え、焼き茄子に玉子焼、烏賊の塩辛大根おろし添えとアスパラガスのベーコン巻き。
煮物には、一口がんも、蒟蒻、花人参、牛蒡、ブロッコリー、筍。
向付は鮪の刺身と蛸のたたきをご用意しました。

主菜は鮭の辛み味噌焼きに珈琲風味の花豆と花蓮根の甘酢漬を添えて。

高座の後には、若布のかき揚げを添えた茶そばと、ゼリーとフルーツのアソートをお召し上がりいただきました。

落語を楽しむ

開口一番『子ほめ』立川とん吉

本日の開口一番をお勤めいただいたのは生志師匠のお弟子さん、立川とん吉さん。

披露していただいた演目は『子ほめ』。
タダ酒をねだる手立てを御隠居に乞う八公。世辞さえ言えばタダ酒が飲めると合点したもののうまくいきません。
愚か者だけれどもどこか憎めない八公を、良く通るお声でフレッシュに演じていただきました。

一席目『幇間腹』立川生志

万雷の拍手とともに本日の主役、立川生志師匠のご登場です。

風刺のきいた時事ネタのまくらに客席は大いに沸き立ちます。
サービス満点のまくらに続きご披露いただいた演目は『幇間腹』。『たいこ腹』としても知られる古典の作品です。
暇を持て余した道楽息子がよりによって鍼に関心を持つ。しかし練習ばかりではおもしろくない。どこかに実験台はいないだろうか。
そこで目を付けられたのが幇間の一八ですが……。
なかなかにブラックな演目ですが、たっぷりの刺激的なまくらで湧いた客席は、引き続き風刺のきいたくすぐりに魅了されました。

〜仲入り〜

二席目『芝浜』立川生志

二席目『芝浜』立川生志

仲入りをはさみ、黒い羽織で登壇された生志師匠。

二席目に披露された演目は『芝浜』。暮れに酒を断つ噺ですから、真夏の酒席とは正反対のシチュエーション。ところがそんなチョイスが粋に感じられるのが立川流の真髄なのかもしれません。
客席は次第に冬の情景に包まれ、夏の夜の暑さを忘れつつも古典を代表する人情噺に気持ちは温まります。
「よそう。また夢になるといけねえ」
まだ暮れの情感に浸った客席からは、しっとりとした、それでいて熱っぽい拍手が溢れました。

江戸伝統野菜を楽しむ

本日も、江戸東京野菜コンシェルジュの資格を持つOmeFarmの島田さんが、美味しいお野菜をご紹介くださいました。

本日の伝統野菜は昨日に続き寺島なす。
東京伝統野菜の代表格ともいえる寺島なすをご紹介して頂くに際し、あらためてOmeFarmの理念を語っていただきました。
また、日々の農作業ですっかり日焼けした島田さん。連日の暑さはなすの甘さのためには大切ですが、熱中症の怖さも忘れてはならない、と太陽とともにある立場からのお話は説得力がありました。みなさまもどうぞご自愛ください。

お酒を楽しむ

  • 望月酒店さん
  • 国権酒造さん

今宵のお酒を提供していただいた平和酒造さんをご紹介いただいたのは、神奈川県厚木市でお店を営む望月酒店さん。
生志師匠の鋭い批評眼に感化されてか、日本酒の現状について熱っぽく語っていただきました。

四回目のご紹介となる平和酒造さんは、東寄席でこれまでご紹介してきた酒蔵と比すると新しい蔵元です。しかし、それゆえか日々の酒造りに強い情熱と探究心をかたむけ、とても高い評価を受けています。

本日の日本酒

(写真右から)

平和クラフトビール ホワイトエール

青い鳩のラベルが涼しげなクラフトビール。

紀土 純米大吟醸 宙へ MOMO4号応援酒

なんと観測ロケットMOMO4号の燃料として宇宙へ。宇宙事業を応援する日本酒。

紀土 純米吟醸 夏ノ疾風

軽やかでフルーティな香り、冷やして美味しい夏を感じる日本酒。

紀土 大吟醸 山田錦35

華やかな味わいを持つ希少な限定酒。

お楽しみ抽選会

最後は東寄席恒例の「お楽しみ抽選会」です。
演舞場からは立川生志師匠のサイン入りポスターと観劇チケット。OmeFarmさんからは本日の伝統野菜「寺島なす」とお届けお野菜のセット。平和酒造さんからはオリジナルの手ぬぐいやものづくりへの強い想いがしたためられたご著書。そして生志師匠からは可愛らしいイラストとメッセージの書かれた色紙をご提供いただきました。

  • お楽しみ抽選会
  • お楽しみ抽選会
  • お楽しみ抽選会
  • お楽しみ抽選会

今回も満員御礼、大盛況のうちに幕を閉じた『東寄席』。
次回は
2019年8月28日(水)「橘家文蔵独演会」
2019年8月29日(木)「立川生志独演会」
です!どうぞお楽しみに!

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